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《森の植物の歳時記》 [171] 【ホタルカズラ(蛍葛)】

【ホタルカズラ(蛍葛)】
林縁部の草むらのなかなどで咲く花は、ハッとするくらい目立ちます。この花の色をホタルの光に喩えた名前と言われています。
ホタルソウ、ホタルカラクサ、ルリソウなどと呼ばれる地域もあります。
野草とは思えないような大振りで鮮やかな色の花は人気を集めます。
蕾から開花直後くらいはやや赤味を帯びていますが、開花と共に瑠璃(るり)色と表現される色になり、中央の5本の白い隆起線が星形に見えて、目立ちます。
花後、株元から横に這うようにランナーを伸ばし、先端から根を出して新しい株を作ります。場所があれば、どんどん広がっていきます。茎葉は冬も枯れないで残ります。
特別な場所にしか生育できないわけでもないのですが、里山と言われるようなエリアの開発が進む現在、生育場所の激減で、稀少種として保護されている地域もあります。
人気の花で、園芸化を試みられたこともあったようですが、実現には至りませんでした。
よく似た花を咲かせる南ヨーロッパ原産のミヤマホタルカズラが、鉢植えで売られているのを見かけます。
廣畠眞知子氏(NPO法人千葉県森林インスタラクター会会員、元千葉都市緑化植物園緑の相談員)
ホタルカズラ(蛍葛)
ミヤマホタルカズラ