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《森の植物の歳時記》 [170] 【オドリコソウ(踊り子草)】

ちょっと薄暗いような道端や林縁で咲く日本在来の植物です。花は白色と淡いピンクがあり、白色は関東に、ピンクは関西に多いと言われていますが、共にどちらでも見られます。
花の様子を、傘をかぶって踊る踊り子の姿に見立てた名前とされ、阿波踊りや佐渡おけさのイメージだという説があります。
筒状になっている花の付け根に蜜があり、蜜を求めて虫が入り込み、受粉に貢献します。外遊びの時、花を採って根元から蜜を吸って遊んだ方はありませんか。
多年草であることに加えて、種子繫殖もしますので、群生しているのを見かけます。
明るい道端で多く見かけるヒメオドリコソウは、同じ仲間ですが、ヨーロッパ原産で明治時代中期に帰化しているのが確認されました。ピンクの花が一般的ですが、たまに白花があります。オドリコソウに比べて小さいことからついた名です。
近年、黄色い花や紫色の花のオドリコソウが売られているのを見かけます。ラミウムと呼ばれ、ヨーロッパ原産の植物です。グラウンドカバーなどに利用されています。カラーリーフのものもあり、人気です。

廣畠眞知子氏(NPO法人千葉県森林インスタラクター会会員、元千葉都市緑化植物園緑の相談員)