日当たりの良い、やや湿り気のある草地などに生えるマメ科の植物です。複葉の多いマメ科の中では珍しく単葉ですが、青紫色の花を見ると、マメ科を疑う余地はないですね。
何を以って“タヌキ狸”というかは、諸説ありますので、ご想像にお任せしましょう。
一年草ですので、草刈りの時期によっては、子孫を残すことができないこともあります。
花は1㎝くらいあり、夏に咲くマメ科の植物にしては大振りで魅力的なのですが、お昼頃から咲いて、夕方には閉じてしまいます。暑い中、出かけないと見ることのできない花なのが残念です。
花後、長い毛に覆われた萼に包まれるように豆果が育ちます。この姿、タヌキに見えるかも?
豆果の中には2㎜弱の種子が10個余り入っていて、熟した豆果を振ると、カシャカシャと音がして楽しめます。
近年、サンヘンプと呼ばれる黄色い花を咲かせるタヌキマメの仲間を畑や道端で目にすることがあります。インド原産の植物で、緑肥として、あるいは根こぶ線虫対策として導入されたものです。
廣畠眞知子氏(千葉県森林インスタラクター会会員、元千葉都市緑化植物園緑の相談員)
以下、サンヘンプ