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《森の植物の歳時記》[253]【ヒメオドリコソウ(姫踊子草)】

ヨーロッパ原産の植物です。
市街地の道端や畑の縁などで、濃いピンクのカーペットを敷き詰めたように生育しているのを見かけます。果樹園などでは、枝を張った果樹の下をピンクに染めていたりします。
「明治26(1893)年、東京駒場にて検出」という記録が残っています。
園芸植物のように、わざわざ持ち込まれたのではなく、何かに付着しての密入国と言われており、東南アジアや北アメリカでも分布を広げているようです。
草丈30~50㌢もある日本在来のオドリコソウに比べて、ヒメオドリコソウは草丈10~20㌢と小さくて可愛らしいことからの命名とされています。
現在では、東京のみならず、北海道から沖縄まで分布を拡大し、害草として扱われるようになっています。
茎の上部の葉は密集して、開花頃に赤紫色を帯びます。
花色はピンクのものが多いのですが、たまに白色のものがあり、シロバナヒメオドリコソウ白花姫踊子草と呼ばれることもあります。
シロバナヒメオドリコソウの場合、開花時の茎頂の葉は緑色のままです。
アリによる種子散布が知られており、とんでもない場所で生育している姿を見かけることがあります。
廣畠眞知子氏(NPO法人千葉県森林インスタラクター会会員、元千葉都市緑化植物園緑の相談員)

ヒメオドリコソウ

シロバナヒメオドリコソウ

オドリコソウ