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《森の植物の歳時記》[245]【ケヤキ(欅)】別名 ツキ(槻)

葉を落としたケヤキの姿が注目される季節です。
両手を広げたようなと表現される樹形です。遠くからもはっきり確認できる樹形を「けやけき木」(けやけし:異様にきわだっている 広辞苑)の意からの名という説があります。別名のツキは「強き木」の意と言われます。
材は堅く強靭で、耐朽、耐湿性があり、大径木は臼や太鼓の胴、寺社の建築材として使われています。京都 清水寺の舞台を支える柱がケヤキであることは、広く知られています。
縄文時代前期の遺跡からケヤキで作られた鉢のようなものや、杭などが発見されています。古くから日本人の生活に欠かせない木であったと推察されます。
公園樹、街路樹、庭園樹、屋敷林として多く植えられています。
古い民家のお庭でケヤキの大木が景色に溶け込むように守られているのを見かけます。里山を代表する光景です。
大きく枝を張ることや、自然落枝する危険などから、強剪定された姿を多く見かけます。大木になると根上がりをするため、交通障害に配慮して伐られることもあります。
秋に小さな果実をつけた枝が風に乗って飛散し発芽します。
近年は枝を張らない品種、ムサシノケヤキが植えられているのを見かけます。
廣畠眞知子氏(NPO法人千葉県森林インスタラクター会会員、元千葉都市緑化植物園緑の相談員)

ケヤキ     

ムサシノケヤキ