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《森の植物の歳時記》 [186] 【【アカンサス 別名 ハアザミ(葉薊)】

アカンサスは、近年、公園などに植えられているのを多く見かけるようになっています。
地中海沿岸辺りを原産地とする植物で、ギリシャの国花にもなっています。
日本に入って来たのは明治の末頃ですが、大きな株になることから、一般に知られるようになったのは近年になってからです。イングリッシュガーデンなどに植えられて、人気を集めるようになっています。
キツネノマゴ科に分類されるアカンサスは、分類的にはキク科のアザミとは関係はないのですが、大振りで深い切れ込みの入った葉がアザミの葉に似ていることからハアザミと呼ばれることがあります。
アカンサスはギリシャ語で刺を意味する「アカンソ」に由来します。花を支えるようにつく苞葉の刺は注目に値します。刺のある苞葉の上に花があります。
古代ギリシャ以来、アカンサスの葉は建築物や内装などの装飾のモチーフとして使用され、広くインドから中国まで伝播しました。コリント式と言われる柱の柱頭のデザインに見られます。
廣畠眞知子氏(NPO法人千葉県森林インスタラクター会会員、元千葉都市緑化植物園緑の相談員)