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《森の植物の歳時記》 [180] 【シライトソウ(白糸草) 別名ユキノフデ(雪の筆)】

雑木林の木漏れ日のなかに咲く花は、多くの方が「ムーミンのお話に出てくるニョロニョロみたい!」と表現されます。
シライトソウは花が細い糸状見えることからの名前です。ユキノフデは花穂の色と形に拠るものと言われています。
1784年(江戸時代後期)に来日したスウェーデンの植物学者ツンベルグ(C. Thunberg)が『日本植物誌』を著して、シライトソウを世界に紹介したことが知られています。
秋田県以西の山地に生育するのですが、生育場所が放置されたり、人為的にかく乱されたりして、環境に適応できなくなり、生育数は減少しています。加えて、盗掘による被害も多く報告されており、保護の対象とされているところが多くなっています。
森林公園のようなところで植栽保護されているのを多く見かけます。
花は下から上に向かって咲き上がります。花弁は6枚あるのですが、白く見えているのは4枚で、他の2枚は小さくて確認は困難です。結実する頃には、全体が緑色になります。
廣畠眞知子氏(NPO法人千葉県森林インスタラクター会会員、元千葉都市緑化植物園緑の相談員)