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《森の植物の歳時記》 [159] 【ツクシ(土筆)】

“ツクシ誰の子 スギナの子”と歌われるように、ツクシとスギナはセットで登場します。そのためでしょうか、「ツクシとスギナは親子なのですか?」「ツクシは大きくなったら何になるのですか?」若いお母さんたちから多くいただくご質問です。
ツクシ(スギナ)はシダの仲間で、根で繋がっています。ツクシは生殖茎(せいしょくけい)と呼ばれ、頭の部分から胞子を出して、子孫を増やします。一方、スギナは栄養茎(えいようけい)と呼ばれ、光合成をして養分を作ります。
ツクシとスギナの関係は、あえて言うなら、親子ではなくて、家庭内での役割分担とでも言いましょうか。
多くのシダは葉の裏に黒いぶつぶつが付いていて気持ち悪い!と思われた方はないですか? 葉の裏に付いている黒い粒が胞子体で、ここから胞子を放出して子孫を増やします。葉では光合成をして、養分を作ります。
ツクシの場合、繁殖と光合成という二つの仕事をスギナと分担しているのです。
ツクシの頭から淡緑色の粉が出ているのをご覧になったことはありませんか? この粉が胞子です。

廣畠眞知子氏(NPO法人千葉県森林インスタラクター会会員、元千葉都市緑化植物園緑の相談員)















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