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《学びの森の生態図鑑No.7》
■青桐法師の旅立ち■
『アオギリ』をご存じですか?
とても不思議な形の実がなります。丁度、今の季節、夏から秋にかけて、たくさんの実がぷらんぷらんとぶらさがっています。
『青桐法師の旅立ち』アオギリの実のクラフトです。初めてアオギリの実を観た時の自然の造形美への感動は忘れられません。
アオギリは春に地味な黄色い花を咲かせます。
雌花①と雄花➁がひとつの木につきます。そして、このちっぽけなところ③が青桐法師の受粉告知図です。
アオギリの実は春から夏にかけてどんどん形を変えて成長していきます。そして、秋にお豆がはじけるようにぷちん!と割れます。アオギリ法師の誕生です!
アオギリの実(去年のもの)クラフトの材料にも大人気です!
アオギリも『飛ぶ種』の仲間です。種がついているさやのようなものは心皮(しんぴ)と呼ばれ、風に乗ってくるくると回りながら、親の木から遠くへと旅立って行きます。クラフトの青桐法師は水の上に漕ぎ出しましたが、本物のアオギリは風に乗って飛び立ちます。
まんまるの実の部分は梧桐子(ごどう)と呼ばれる生薬に、また、昔はコーヒー豆の代用にも使われました。
キリに似ているといわれる葉。こちらは民間薬としても使われました。
これが、アオギリ!
そして『「キリ」だけど!桐じゃなかった!!』アオギリは、アオイ科アオギリ属です。キリはキリ科キリ属。よくあることですが、どこかが似ているとその名前がついてしまいます。『アオギリ』と名付けられたのは、キリは樹皮が白いのに対して、アオギリは葉が似ているけれど、樹皮が青いためだそうです。
その青い樹皮は・・・齢を重ねると白っぽくなるのよ・・・面倒な話です。
広島の平和公園にある被爆したアオギリの話は有名です。平和の象徴として植栽されるようになりました。生命力が強く、また、よく水を吸い上げて火に強いので防火のために街路樹や庭木に植えられます。宮城県県民の森のアオギリも植栽ですが、沖縄など南の方では自生しています。
(写真・解説の提供:宮城県森林インストラクター協会)