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《学びの森の生態図鑑No.3》
■エゴノキの周りで■
学びのもりの生態図鑑、3番手、『宮城県県民の森』からこんにちは!
急に暑くなりました。草木も今を盛りと生い茂る昨今、深緑の間にひょっこりと緑色の宝石をみつけてみませんか?
エゴノキ
ぷらんとぶら下がったかわいらしい実。これから、もう少しぷっくりして灰褐色の実となります。エゴの実の果皮にはエゴサポニンという有毒成分が含まれていて、要注意!でも、そこがおもしろいところでもあります。
たくさんの緑の宝石たち
左上:コブシ 右上:フジ 左下:ヤマボウシ 右下:ヤマナシ
これから、秋に向けてどんどん熟していきます。どんな実ができあがるのか観察してみてね!
エゴノキの虫こぶ:植物がさまざまな寄生生物によって変形したもの
まるで、木の実と花が一緒についているようですね。
エゴノキの虫こぶのアップ
一見、花のようですが、これは『エゴノネコアシアブラムシ』が作ったバナナ状のかたまりで、中でアブラムシたちが暮らしています。7月頃には羽のあるアブラムシが誕生し、イネ科の雑草アシボソにお引越し、秋になるとまた戻ってくるという不思議な暮らしをしています。
他にも『エゴツルクビオトシブミ』『エゴヒゲナガゾウムシ』など、エゴノキにしかつかない虫たちがいます。
エゴノキの花 5~6月
とても良い香りの花です。ぷらんとぶら下がった様子は木の実そのまま。清楚な白い花が風に揺れる様は、英名『スノーベル(雪の鐘)』そのもの!
マルハナバチ
エゴノキの花の受粉にはマルハナバチが大活躍!もぞもぞする丸いお尻がお花と一緒に揺れてかわいらしい様子。
エゴノキの実を食べるヤマガラ
エゴノキと言えばヤマガラ。毒があるというのに、エゴノキの実はヤマガラの大好物!秋になると、一日中、エゴノキの実から種を取り出しています。上手に足でつかんで毒のある果皮をとりのぞき、種だけキャッチ!
エゴノキの実を貯蔵するヤマガラ
一日中、飽きもせずにせっせとエゴノキの実をむき続けるヤマガラ・・・実は、ヤマガラは寒い冬のために、エゴノキの実をいろいろなところに貯えているのです!そしてもちろん、貯えたことを忘れてしまって、そこからエゴノキが育つこともあります。
1本のエゴノキの周りでたくさんの生き物たちが生活しています。
(写真・解説の提供:宮城県森林インストラクター協会)