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《森の植物の歳時記》[285]【ドクダミ(蕺)】別名 ジュウヤク(十薬)
薄暗い森の中で咲き乱れるドクダミの光景は魅力的です。
毒を矯める、止めるの意味からの名と言われています。多くの薬効があるとされて、十薬とも呼ばれています。
利尿作用の促進、動脈硬化の予防、解熱や解毒などから、むくみや肥満、便秘、冷え性、生理不順、生理痛、ニキビや吹き出物、シミ、ソバカスも防いでくれるなど、様々な効果が報告されています。近年では干したドクダミで作るドクダミ茶も広く知られるようになっています。
4枚の白い花びらのように見えるものは、苞(ほう)です。苞は3~5枚だったり、八重になっていたり、緑色だったり、いろいろ変異があり、園芸種として売られたりもしています。
苞は中央に芯のように見える黄色い花穂を保護し、虫を呼ぶ目印にもなっています。花穂は花弁のない、雄しべと雌しべだけの花の集合です。また、雄しべも雌しべも機能を失っているものが多く、結実しないか、しても発芽はほとんど期待できません。繁殖は、主に根によって広がっていきます。
干したり、加熱したりすると匂いは気にならなくなりますので、お茶にしたり、天ぷらにしたりしてお試しください。
ドクダミ
八重咲のドクダミ
廣畠眞知子氏(NPO法人千葉県森林インスタラクター会会員、元千葉都市緑化植物園緑の相談員)