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《森の植物の歳時記》[284]【レンリソウ(連理草)】
日当たりの良い、やや湿り気のある草原などで見られる多年草です。
幅の狭い長楕円形の小葉が6枚くらいあります。その小葉がきっちり対生しています。
唐の6代皇帝玄宗と楊貴妃との悲恋を白楽天が『長恨歌(ちょうごんか)』で、「天に在りては比翼の鳥となり、地に在りては連理の枝とならん」と歌っています。
男女の深い契りのたとえとして使われる「連理」ということばですが、小葉がずれることなく対生している様から、レンリソウ(連理草)とされたとされています。
葉の先端は巻きひげになっており、周りの植物に絡みながら伸びていきます。
濃紫色のマメの花が咲く頃は、アブラムシ(アリマキ)の繁殖期にも当たりますので、多くのアブラムシが茎に群がっています。
結実は花の数に比べて少ないようです。
日当たりの良い草原のような場所を好む植物ですので、放置されて背丈の高い草に覆われるようになった草原では生育することができません。生育期間中に日照を確保できるよう、適度な管理が必要になります。
草原が少なくなっていることに加えて、放置された草原が多くなっている現在、保護対象とされている地域もあります。
レンリソウ
廣畠眞知子氏(NPO法人千葉県森林インスタラクター会会員、元千葉都市緑化植物園緑の相談員)