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《森の植物の歳時記》[276]【セリバヒエンソウ(芹葉飛燕草)】
草原や明るい林のなかなどで見られます。明治時代に中国より渡来した植物で、“東京駒場の旧帝大農学部跡に多い”と記された記録が残っていますが、渡来の経緯は明確にはなっていないようです。葉がセリ(芹)に似ているヒエンソウという意味です。花には距(きょ)と呼ばれる尖った部分があり、蜜を溜めて虫を呼んでいます。この花の姿を飛翔するツバメの姿に見立てた名前といわれています。
デルフィニウム(オオヒエンソウ 大飛燕草)と呼ばれる園芸種と同じ仲間ですが、園芸種が1㍍を超える大型なのに比べて、セリバヒエンソウは20㌢余りと小ぶりです。
近年では、分布を広げて、あちこちで見かけられるようになっています。
園芸植物として渡来したという説もあるようですが、現在は野外で雑草扱いされています。
駆除に際しては、一年草ですから、結実前に作業を終えるのが効果的です。
雑草扱いとは言いながらも、春から初夏にかけて、緑に包まれるように咲くすみれ色の花は人気です。
セリに似てはいますが、有毒植物ですので食べられません。注意が必要です。
セリバヒエンソウ
デルフィニウム
廣畠眞知子氏(NPO法人千葉県森林インスタラクター会会員、元千葉都市緑化植物園緑の相談員)