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《森の植物の歳時記》[266]【カラスノエンドウ(烏野豌豆)】別名 ヤハズノエンドウ(矢筈野豌豆)
日当たりの良い道端や野原などで良く見かけます。
名前の由来は、諸説ありますが、黒く熟した豆の莢をカラスの黒に喩えたものと言われます。
“烏の豌豆”ではなくて、“烏 野豌豆”の意と言われています。
花の一番上の花弁はピンと立ち上がり、その付け根の辺りに向けての色の変化でハナバチなどの虫に蜜のありかを知らせています。
虫は蜜を求めて目印に沿って中にもぐって、受粉に貢献します。
葉の付け根のところにある托葉と呼ばれる小さい葉のようなものに黒い斑点が見られます。
これは花外蜜腺と呼ばれ、蜜を出してアリを呼んでいます。葉を食べにくる虫はアリが居ることで寄り付きにくくなり、結果として、葉は守られることになります。
複葉の先端にあり、先が三叉の巻きひげで絡みながら育ちます。
一般にはピンクの花を咲かせますが、たまに白花も見かけます。
小さい葉の先が凹んでいることから、ハヤズノエンドウ(矢筈野豌豆)とも呼ばれます。
烏が居るなら雀も居る? そうなのです、スズメノエンドウ(雀野豌豆)もあります。
特徴がカラスとスズメの間という語呂合わせで、カスマグサ(かす間草)というのもあります。
廣畠眞知子氏(NPO法人千葉県森林インスタラクター会会員、元千葉都市緑化植物園緑の相談員)
カラスノエンドウ
スズメノエンドウ
カスマグサ