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《森の植物の歳時記》[264]【ヤマネコノメソウ(山猫の目草)】
山地に生えるネコノメソウという意味でつけられた名前です。花が終わった後、裂開した果実の様子が猫の目に見えることに由来します。
日本全域で見ることができのですが、ネコノメソウ(猫の目草)が、比較的、水分の多い土地を好むのに対して、ヤマネコノメソウはやや乾いた土地でも生育することができます。
花は黄色く見えますが、花弁はなく、萼が黄色く見えているものです。
やや薄暗い場所で、草丈が高くはならず、地面に張り付くように生育するため、目立たないということでしょうか、気づかないで通り過ぎてしまわれる方も多いようです。
花が終わってできた果実は、中央から左右に裂開し、コップのような中から種子が見えるようになります。この様子が猫の瞳孔に喩えられます。
コップのような中に雨粒が落ちると、中の種子はコップから溢れだします。雨滴散布(うてきさんぷ)と呼ばれます。
ネコノメソウの仲間は、地域、生育場所などによって、ハナネコノメソウ、ヨゴレネコノメソウなど、いろいろな種があります。同じ場所で数種類のネコノメソウの仲間が混在していたり、他の花と混在していたりすることもあります。
廣畠眞知子氏(NPO法人千葉県森林インスタラクター会会員、元千葉都市緑化植物園緑の相談員)
ヤマネコノメソウ
ハナネコノメソウ
ヨゴレネコノメソウ