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《森の植物の歳時記》[251]【フッキソウ(富貴草)】別名 キッショウソウ吉祥草 キチジソウ吉事草
山地の林床などに生える常緑の小低木です。草のように見えますが、木に分類されています。
耐寒性もあり、一年中、同じような姿を保つことができます。雪の下でも生育できますので、グラウンドカバープランツとして植えられているのを見かけます。
近年では、海外のガーデニングのお庭でも植えられているようです。
丈夫で旺盛に繁茂することから「富」、白い実が真珠のように見えることから「貴」をイメージしての名前という説があります。別名の吉祥草や吉事草も同様の由来でしょう。
富と繁栄を象徴する縁起の良い植物として、植えられる方が多いようです。
多くの植物は日当たりの良い方に向かって伸びていきますが、フッキソウは湿り気のある明るい木陰を好みますので、日陰の方に向かって伸びていきます。
春に咲く花は太い雄しべが目立ちますが、花全体としてはあまり目立ちません。晩秋に白い実をつけます。ゼリーのようでほんのり甘いという話も聞きますが、食べられないとも聞きますので、不用意に口にはしないでください。
鳥やタヌキが食べるという報告がありますが。お正月過ぎまで残っていることが多いようです。
廣畠眞知子氏(NPO法人千葉県森林インスタラクター会会員、元千葉都市緑化植物園緑の相談員)
フッキソウの実
フッキソウの花