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《森の植物の歳時記》 [250]【リョウメンシダ(両面羊歯)】
リョウメンシダは北海道から九州まで、ちょっと薄暗い山中や谷間など、肥沃で湿潤な場所を好んで生えていて、普通に見つけることができます。
大きいものでは葉が1㍍にもなるものもある大型のシダですが、細かく切れ込んだ葉は裏から見ても表から見ても同じように見えます。「リョウメンシダ(両面羊歯)」と呼ばれる所以です。
福井県の鳥浜貝塚から出土した縄の素材がリョウメンシダと判明して、話題になりました。もちろん、青森県の三内丸山遺跡や富山県の小竹貝塚など、あちこちの遺跡、貝塚からも同様のものが出土しています。
葉をしごくと葉片が簡単に綺麗にとれて、軸だけになります。これをたたいたり割ったりして多少の手を加えて柔らかくして使っていたようです。三つ編みだったり、撚ったりしたものが出土しているようです。
縄文文化というと縄とイメージはあると思います。その素材はカラムシ、イラクサ、アサなど諸説あります。地域のよっても様々だとは思いますが、リョウメンシダもその一つと言うことです。
稲わらの縄は、稲の伝播が弥生時代ですので、縄文時代には存在していませんでした。
廣畠眞知子氏(NPO法人千葉県森林インスタラクター会会員、元千葉都市緑化植物園緑の相談員)
リョウメンシダ(両面羊歯)
リョウメンシダの葉裏