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《森の植物の歳時記》 [246]【レモン(檸檬)】
国産レモンの人気が高くなっています。広島県や愛媛県、熊本県など、レモンが特産品となっている地域も増えています。
レモンはインドのアッサム地方が原産地ですが、イタリアやアメリカのカリフォルニアなどに渡り、栽培が盛んになって現在に至っています。
日本に伝わったのは明治時代の初め頃、熱海で栽培されたと記録されています。
その後、食文化の洋風化に伴い利用が多くなり、温暖な気候の瀬戸内海周辺で栽培が盛んになりました。
ミカン(温州みかんなど)に比べて、耐寒性が若干弱いのが特徴です。-3℃が耐寒温度とされていますので、寒冷地では対策が必要になりますし、栽培が難しい地域もあります。
個人のお宅では鉢植えされていることが多いようですが、近年は暖冬傾向が強くなっており、地域によってはお庭で地植えしておられるのを見かける機会も多くなっています。
5月の中旬頃に開花する花は、淡紫色で香り高く魅力的です。結実後、収穫は冬になります。
雨の影響を受けやすいので、比較的雨量の少ない地域で、日当たりの良い場所での栽培が理想です。
アゲハの幼虫の食草ですから、注意が必要です。
廣畠眞知子氏(NPO法人千葉県森林インスタラクター会会員、元千葉都市緑化植物園緑の相談員)
レモン
アゲハの幼虫