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《森の植物の歳時記》 [238]【クロガネモチ(黒鉄黐)】

東のモチノキ、西のクロガネモチと言われるように、関西での植栽が多いようですが、近年では関東でも多く見かけます。

若干、寒さには弱いようですが、虫もつきにくく、潮風や排気ガスにも強く、強剪定にも耐え、火災延焼を防ぐ効果もあり、庭木や街路樹として多く植えられます。

葉柄や若い枝が紫黒色を帯びることや、葉を焼くと黒褐色になることなどから、黒鉄(くろがね 鉄の古称)色のモチノキでクロガネモチと呼ばれます。

金持ちに通じるとして、縁起の良い木とも言われます。

モチノキは樹皮から鳥もちが採れることに由来します。鳥もちはクロガネモチからも採れるのですが、モチノキから採ったものに比べると、質的には劣るようです。

初夏に咲く花はあまり目立ちませんが、冬に熟す赤い果実は人気です。鳥が好んで食べて種子散布に貢献すると言われますが、完熟するまで待っているのでしょうか?年を越すくらいまで残っているのを多く見かけます。

雌雄異株です。やはり果実が実る雌木の需要が多く、近年では接ぎ木で作られた苗を多く見かけます。株の根本の辺りに注目してみると、色の違う継ぎ痕が確認できます。

廣畠眞知子氏(NPO法人千葉県森林インスタラクター会会員、元千葉都市緑化植物園緑の相談員)



クロガネモチ















クロガネモチの接ぎ木の跡



モチノキ   





 


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