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《森の植物の歳時記》[209]【クコ(枸杞)】別名 ゴジベリー

杏仁豆腐の上に添えてある赤い実をイメージできますでしょうか。クコの実です。

近年はアミノ酸、ビタミン類やルチンなどが豊富に含まれることが知られ、スーパーフルーツとして注目されています。

日当たりの良い荒地や土手などに生えているのを多く見かけますが、観賞用や薬用に栽培もされます。 

クコは漢名の「枸杞」を音読みにしたもので、刺のある枝を枸(ク:カラタチの意)、細い枝を杞(コ:ヤナギの意)に喩えてつけられたものと言われています。

夏に紫の花を咲かせ、結実した果実は赤く熟して甘くなります。

滋養強壮、血圧降下、解熱、動脈硬化、不眠、糖尿病、強壮、美容、眼精疲労など多くの薬効があるとされ、不老長寿の実として、平安時代から貴族の間で愛用されていました。大げさな料理というよりも、お粥などに入れていたと考えれば、納得しやすいでしょうか。

今昔物語や徒然草に登場する久米仙人が愛用して、186歳まで生きたという伝説さえ残されています。

生け垣に植えると病人が出ないと言われ、長寿を期待した身近な植物だったのでしょう。

果実を食べた鳥が種子散布に貢献して、あちこちに生えてきています。

廣畠眞知子氏(NPO法人千葉県森林インスタラクター会会員、元千葉都市緑化植物園緑の相談員)

クコ



















カラタチの刺


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