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《森の植物の歳時記》 [198] 【ボタンクサギ(牡丹臭木)】


中国中南部、台湾、ベトナムなどに自生する植物です。

日本への渡来がいつ頃なのか、はっきりしていませんが、園芸種として移入されたものです。

葉を揉んでみると独特の臭気があります。日本在来のクサギ(臭木)と同じ仲間です。日本のクサギが白い花を咲かせるのに対して、ボタンクサギは個々の花がピンクで小さく、丸い塊になって咲くことから、その姿をボタン(牡丹)に喩えて、ボタンクサギと呼ばれます。

華やかな雰囲気で人気ではあるのですが、地下茎で増える旺盛な繁殖力の故でしょうか、近年、野外に捨てられて繁殖している姿を目にするようになっています。民家に近い雑木林の林縁などで咲き乱れている姿は、ちょっと違和感があるでしょうか。

比較的、日陰でも生育できるため、造園木としても扱いやすいのですが、一方で増えすぎて困るということにもなってきているのでしょう。

結実して種子繁殖もするのですが、日本での結実は少ないようです。

中国などでは葉を揉んで腫れものやただれの幹部に張り付けたりして薬用として利用されるようですが、日本での利用はあまりないようです。

廣畠眞知子氏(NPO法人千葉県森林インスタラクター会会員、元千葉都市緑化植物園緑の相談員)


ボタンクサギ



















クサギ





 


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