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《森の植物の歳時記》 [189] 【ビロードモウズイカ (天鵞絨毛蕊花)】


道端に大きな葉を広げて、1㍍を超えるような草丈の植物をご覧になったことはないですか? ビロードモウズイカです。近年、急速に分布を広げているようです。

今はビロード(ポルトガル語)という言葉はあまり使われないですね。英語でベルベット(velvet)と言った方が分かりやすいでしょうか。全草を被う灰白色の毛に由来する名です。

モウズイカ(毛蕊花)は、雄しべに毛が生えていることに由来します。

北アメリカ原産の植物で、明治時代に「ニワタバコ(庭煙草)」という名前で導入されました。原産地である北米の先住民は、葉をたばこのようにして吸引して、喘息や咳の治療に使っていたようです。

ハーブ園などで栽培される時は、マレインと呼ばれることもあります。日本では観賞用として植えられることが多く、薬草としての利用は少ないようです。

径0.8㍉と微細な種子は、1つの果実に700個含まれると報告されており、広範囲に飛散します。種子の寿命の長いことも知られており、10年から100年も発芽能力を保持するという報告があります。

ある日突然、道端に出現する理由、ご理解いただけるでしょうか。

廣畠眞知子氏(NPO法人千葉県森林インスタラクター会会員、元千葉都市緑化植物園緑の相談員)

















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