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《森の植物の歳時記》 [177] 【サルナシ(猿梨) 別名コクワ シラクチカズラ】


果実をサルが好んで食べることからの命名とも言われます。キウイフルーツの仲間で、同様に雌雄別株です。花の中を覗くと、雄しべの中央に雌しべが見える雌株と、沢山の雄しべが見える雄株を確認することができます。

果実は2㌢余りと小さいのですが、キウイフルーツのような毛はなく、そのまま皮ごと美味しく食べられます。コクワと呼んでいる地方もあります。

果実はたんぱく質分解酵素を含んでおり、一時に大量に食べると障害が発生することがあり要注意です。動物も含めて「ちょっとずつよ!」ですね。

平安時代には既に食べられていたことが貴族の日記などに見られます。

強靭な蔓はシラクチカズラと呼ばれ、徳島県祖谷渓の国指定重要有形民俗文化財“祖谷のかずら橋”の素材として知られています。長さ45㍍、幅2㍍、高さ14㍍の橋は日本3奇橋の一つに数えられることもあります。平家の落人が追っ手から逃れる際に切り落としやすいようにシラクチカズラで編んだと言われています。蔓性であることから、刈り払われることも多く、開花、結実に至る株が少ないのが残念です。

廣畠眞知子氏(NPO法人千葉県森林インスタラクター会会員、元千葉都市緑化植物園緑の相談員)










































 


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