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【学びの森の自然図鑑14】
全国に207か所ある“ニッセイの森”の1つである宮城県利府町にある「森から考えるESD学びの森」は、宮城県森林インストラクター協会が日常的に管理しており、森およびその周辺で見られる樹木・植物等の様子を「学びの森の自然図鑑」として紹介させていただきます。
今回も「ESD学びの森」周辺で見つけた春の植物達をご紹介します。
[1枚目の写真]
前回、蕾の状態だったカタクリは満開です。タネにアリが大好物の物質をつけることで、アリに運ばせて種を分散します。発芽からこの姿になるまで7年かかる大器晩成の植物です。
[2枚目の写真]
黄色いフジのような花はキブシの花です。枝から垂れるような形で咲く花が密集しているので、森の中でも見つけやすい花です。
[3〜4枚目の写真]
「ESD学びの森」のコブシの大木は今年も満開となりました。大きな白い花びらが咲くと、隣接する県道からも非常に目立つため、散策者の目を楽しませてくれる、この森の春のシンボルツリーです。
[5枚目の写真]
足元にサクラに似た花が咲いていると思ったら、同じバラ科のモミジイチゴでした。葉の形がカエデ類に似ているのが名前の由来です。キイチゴの代表種ですが、茎には鉤型の棘が多いので触る際は要注意です。
[6枚目の写真]
葉に沢山の切れ込みが入っているのが特徴のエイザンスミレは遊歩道の脇にひっそりと咲いていました。発見された滋賀県の比叡山が名前の由来です。
[7枚目の写真]
こちらも前回葉のみを紹介したニリンソウが花を咲かせていました。白い花の付け根からもう一つ蕾が出ています。この2つは時間差で花が咲き、受粉精度を上げています。
[8枚目の写真]
ニリンソウと同じ「キンポウゲ科」の仲間ですが、一輪しか花が咲かないので「一華(イチゲ)」という名前がつきました。似たような花に葉に深い切り込みがある「キクザキイチゲ」という種類もあります。
[9枚目の写真]
大きく目立つ3枚の葉が特徴的なエンレイソウは間もなく開花しそうです。古くは中国では根茎を薬草として利用され、「齢を延ばせる草」なのでエンレイソウ(延齢草)と呼ばれるようになりましたが、サポニンを含む有毒植物なので注意してください。
[10枚目の写真]
ヤマブキもキレイな黄色い花を咲かせていました。古くから鑑賞用として親しまれてきました。枝の中は白いスポンジ状の髄が走っており、くぼませて笛にしたり、葉っぱをちぎって浮遊させたりと遊び道具として活躍してくれます。
例年と違い、様々な花が一気に咲いているので、観る側が目移りしてしまうような春ですが、これ以外にも沢山の植樹が出てきていますので散策を是非楽しんでみてください。
今後も「学びの森の自然図鑑」では、「森から考えるESD学びの森」周辺の森の様子を随時お伝えしていきます。次回もお楽しみに!
(写真・解説の提供:宮城県森林インストラクター協会)