サイトマップ
文字サイズ
  • 標準
  • 拡大

ニュース

《森の植物の歳時記》 [161]  【アブラチャン(油瀝青)】

雑木林の林縁で春を告げるように咲く花の一つにアブラチャンがあります。春まだ早い頃、開葉前に黄色い小さな花を沢山咲かせます。雌雄別株で、雄株のほうが華やかに多くの花を咲かせます。

アブラは油、チャンは瀝青と書いてコールタールのようなものを意味すると言われます。樹皮、幹、枝葉や種子を含めて、油分を多く含み、生木でも良く燃えることに由来するのでしょう。

特に、種子の含む油は注目されていたようです。江戸時代の文献に「一粒に火をつくれば、暫く燃ゆ。尤も油の多きこと比するものなし。実一斗(約18㍑)に凡そ四升(7.2㍑)に近き油あり」と書かれております。油の質が異なりますので、単純に比較はできませんが、油を採ることで知られるツバキよりも多い収量です。

緑色で球形の果実は、秋に茶褐色に熟します。種皮が不規則に裂けて、1個の種子が出てきます。種子だけでも火をつければ燃えるという報告があります。

種子を絞って採った油は燈油として使われました。

枝は粘りが強く、雪国ではかんじきの材料に使われたりします。



廣畠眞知子氏(NPO法人千葉県森林インスタラクター会会員、元千葉都市緑化植物園緑の相談員)








































個人情報保護方針サイトのご利用にあたってサイトマップ
公益財団法人 ニッセイ緑の財団
〒105-0001 東京都港区虎ノ門1-21-17
Tel 03-3501-9203 Fax 03-3501-5713