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《森の植物の歳時記》 [157] 【アマナ(甘菜)】
早春の里山では普通に見られていましたが、開発の進む現在では、目にする機会が少なくなった植物の一つです。
早春の陽光の下で花を咲かせて、結実すると、夏は地下で休眠するという生活型の植物、スプリングエフェメラル(春植物)の一つです。そのため、管理の行き届いた場所でしか生き延びることができません。地域によっては稀少種に指定されているところもあります。
鱗茎(地下の球根)が甘くて食べられることからついた名前「アマナ(甘菜)」です。鱗茎のみならず、葉っぱを噛んでみると、ほんのりとした甘みが感じられます。
二枚の葉に包まれるように花芽が伸び、白い花を咲かせます。花は内側が白いものが多いのですが、時に赤味を帯びたり、すじが入ったりしているものもあります。外側はやや赤みを帯び、暗紫色のすじがあります。通常は1個ですが、まれに2~3個着けることもあります。
根を伸ばして離れたところに新球根を作ったりしますので、株の移動が激しく、栽培管理が難しいとも言われます。花は日が当たると開き、曇りや雨の日には閉じています。
廣畠眞知子氏(NPO法人千葉県森林インスタラクター会会員、元千葉都市緑化植物園緑の相談員)