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《森の植物の歳時記》 [156] 【ハンノキ(榛の木)】

ハンノキの雄花が目につく季節です。ハンノキは湿地を好んで生育する木で、開葉する前に雄花穂から花粉を放出します。少し遅れて雌花も咲きます。

いにしへに ありけむ人の 求めつつ 衣(きぬ)に摺(す)りけむ 真野の榛原 

                    万葉集巻7-1166 作者未詳

古い時代には樹皮や果実が染料として使われていましたので、万葉集に詠まれている歌も布と一緒に詠まれている歌が多いようです。

開墾を意味する「墾(はり)」が語源となって、古名「榛の木(ハリノキ)」となり、ハンノキと呼ばれるようになったと言われています。

根に共生している放線菌が空中窒素を固定するので、湿地のような貧栄養の環境でも、大きく育つことができます。

良質な炭になることから、かつては盛んに伐採されていました。湿地が減少した現在、生育場所は減少傾向にあります。一方、水田の耕作放棄によって、ハンノキの林になってしまったところも見られるようになっています。

鉛筆材ということは、意外に知られていないでしょうか。

葉はミドリシジミ(蝶)の食草です。



廣畠眞知子氏(NPO法人千葉県森林インスタラクター会会員、元千葉都市緑化植物園緑の相談員)
































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