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《森の植物の歳時記》 [146] 【ナノハナ(菜の花)】
道端に黄色いナノハナが咲き始めています。野菜コーナーに“ナバナ(菜花)”も並び始めています。特定の植物というより、アブラナの仲間をまとめて“ナノハナ(菜の花)”と呼ばれているようです。コマツナ(小松菜)、ミズナ(水菜)などの花もナノハナと呼ばれます。ブロッコリーも同じ仲間で似た花を咲かせます。
江戸時代には在来種のアブラナが栽培されており、種子から菜種油を搾取して燈油として利用していました。明治時代になって、近縁種でヨーロッパ原産のアブラナの仲間が導入されました。西洋から来たアブラナということで、“セイヨウアブラナ”と呼ばれました。
現在、セイヨウアブラナは油脂植物として、北海道を中心に栽培されています。食用油の原料とするべく、多くの品種が作り出されて栽培されています。採油だけでなく、蜜源としても有用なナノハナです。
土手を彩っているナノハナの多くはセイヨウカラシナです。繁殖力旺盛で、至る所で繁殖していいます。
ナノハナの仲間は交雑しやすく、道端で咲くナノハナの名前を特定することは難しいことが多いようです。
廣畠眞知子氏(NPO法人千葉県森林インスタラクター会会員、元千葉都市緑化植物園緑の相談員)
コマツナ(小松菜)の花
ミズナ(水菜)の花
ブロッコリーの花