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《森の植物の歳時記》㊱ 【ツバキ(椿)】
【ツバキ(椿)】
立春を過ぎれば季節は春。木偏に春と書く椿、特に北海道を除く海岸地域に多く自生するヤブツバキは春を待つ季節に花を咲かせて、いち早く春の訪れを告げる花として古くから親しまれてきました。堅い材は武器に使われたりして、霊力のある木とされていました。
江戸時代には多くの園芸品種が育成されました。欧米にも導入されました。近年では、海外で作り出された園芸品種が里帰りしたりもしています。
寒い時期に咲く花は、受粉をヒヨドリやメジロなどの鳥に頼ります。花の中で花粉がこぼれているのは鳥が来てくれた証でしょう。花の底のほうにある蜜をめがけて、花奥に嘴を入れる姿を想像してみて下さい。
廣畠眞知子氏(千葉県森林インスタラクター会会員、元千葉都市緑化植物園緑の相談員)