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《森の植物の歳時記》[74]  【ハンゲショウ(半夏生 半化粧)】

【ハンゲショウ(半夏生 半化粧)】

夏至(6月21日ころ)から11日目を半夏生(はんげしょう)と呼びます。おおよそ7月2日ころに当たります。田や畑の脇にサトイモ科のカラスビシャク、別名ハンゲ(半夏)と呼ばれる植物が咲く頃です。ハンゲ(カラスビシャク)が生ずる頃で、田植えの終了を意味する日ともされていました。この日以降にイネを植えると不作になるとされていました。江戸時代の話のようで、現在はイネの品種も多様ですから、ちょっとずれていますね。
この時期に咲くのがハンゲショウ(半夏生)です。地味な小さい花が穂状に咲きますが、花が咲くころになると、花に近い葉が白くなり、虫に開花を知らせます。蜜もない地味な花は、葉を白くすることでその存在をアピールします。半化粧の由縁です。葉っぱの中に多くの空気の小さな泡があり、光が当たると反射して白く見えるので、葉を裏から見ると緑色です。
花は下から上に咲き上がり、垂れ下がる穂の頂点に咲く花の花粉をなめるためにハナアブの仲間が集まります。
花が終って結実するころ、広告塔の役目を終えた葉は、元の緑色に戻ります。

廣畠眞知子氏(千葉県森林インスタラクター会会員、元千葉都市緑化植物園緑の相談員)

















カラスビシャク