フォーラムメンバー紹介

香美市立大栃中学校

1、学校紹介

大栃中学校は、高知県北東部、物部川の上流に位置する、全校生徒29名の学校です。地域の豊かな自然に恵まれ、地域貢献活動を中心とした地域とともに歩む学校づくりをすすめています。中でも代表的な行事が「奥物部湖湖水祭り」です。取組では地域の方と一緒に灯籠を作り、ダム建設の犠牲になった方々への鎮魂を伝える活動を行うとともに、地域で収穫した「じゃがいも」で作ったポテトチップスや、手作りのコンニャクを炊いたおでん等を販売しています。
森林環境学習としては、鹿の食害による森林破壊が深刻化している三嶺さおりガ原(標高1,440m)で、郷土の保全のため、樹皮にラス(モルタルの剥落を防ぐために、モルタル下地として使用される金網の事です。)を巻く「ラス巻きボランティア活動」、物部の文化遺産でもあり、昔から「生活必需品」や「塩」を香南市赤岡町から物部町まで運んだ約30kmある「塩の道」の一部の清掃活動を行っています。
生徒は地域との交流を通じたくさんの元気をもらっています。

 

2、活動内容

1) 概況 

平成13年から、毎年地域の文化遺産である、香美市物部町から香南市赤岡町までの「塩の道」の清掃活動に取り組んでいる。活動も清掃活動のみにとどまらず、塩の道のすばらしさ、保全管理の重要性について情報発信を行っている。毎年、整備箇所を替え、その取り組みも保存会の方々との協働や、平成28年度は、参観日として、保護者、学校支援地域本部との協働のもと、行事を実施予定である。

2) 活動状況等

⑴ 活動の動機・頻度

① 活動を始めた動機及び開始年月

 平成13年度、生徒会が中心となり、地域貢献活動の一環として、自分たちが物部の未来のためにできることを検討する中   で、地域の文化遺産である塩の道の清掃活動や香南市赤岡町から物部町まで「塩」などの生活必需品を運んだ「塩の道」の歴   史について学びを深めようと、『みんなで守ろう「塩の道」』~僕らが守る物部の未来~』というフレーズで活動をスタート   させた。平成13年度から毎年5月、丸一日かけて活動を行っている。

② 活動の愛称名  『みんなで守ろう「塩の道」』~僕らが守る物部の未来~

③ 月間又は年間活動回数

 回数としては年に一度ではあるが、実施後は、振り返りを行い、塩の道の保全活動や重要性について情報発信するための掲示物等作成し、文化展で展示するなどの事後取り組みを行っている。

④ 活動のエリア

 香南市赤岡町から香美市物部町を結ぶ約30kmの山と海を結ぶ峠越えの道である「塩の道」の中でも物部中心部から約10kmのところにある、香美市香北町久保川から里見休憩所(塩の道桜公園)を経た物部町庄谷相までの約6キロを中心としたエリア。毎年、塩の道保存会の方々と協議しながら、必要な整備を行う形式をとっている。

⑤ 活動1回当たりの平均参加者数 全校生徒及び教職員(約40名)と塩の道保存会の方々10名 計50名

⑥ 活動1回当たりの平均時間 清掃活動は約3時間、その他遺跡の見学等も行っている。

(2) 活動の独創性 活動の特徴

 地域の文化遺産、森林環境を守るための清掃活動ボランティアが活動の基本。毎年、清掃活動場所を変え、学習し、情報発信と行い、『郷土愛』を深めるための活動となっている。道徳性をはぐくみその、活動が地域ぐるみにつながって毎年大きくかっている。

(3) 地域への貢献度

① 地域の環境美化への貢献

「塩の道」は平成16年、日本ウォーキング協会が選定する「歩きたくなる道500選」に選ばれ、町内外の協力者が増え、復元整備活動が軌道に乗ってきました。本校の活動は、塩の道の整備活動の一助をなし、休憩所の清掃活動等を通じ、ウォーキングを楽しむ方々の休憩所として貢献している。

② 地域住民との協力活動

 活動が平成28年度発足した、大栃保小中学校支援地域本部との協働につながってきた。平成28年度は11月に、参観日もかねて、支援地域本部にも参加を呼びかけ、地域ぐるみ教育活動に位置づけた。

③ 児童・生徒の活動に対する地域住民の反応

 地域や保護者が、子供に願う姿として、『郷土愛』 すなわち、『地域愛をもち、物部の良さに気づき、地域に貢献できる』という姿がある。生徒達の活動の様子は学校通信や文化展等でも情報発信しており、地域住民からは高い評価を頂いている。

(4) 環境教育との関連 

① 環境教育と活動との結びつき

 休憩所や公園の清掃活動、草刈り等が環境整備活動となっている。その上、保存会の方々の講話をお聞きすることで環境教育の重要性にも認識する機会となっている。この活動が、自分たちが物部の環境を守るためにできることを考え、実践するのに大きな役割を果たしている。

② 活動開始後の児童・生徒の美化意識の変化

 実際の清掃活動や保存会の方々の思いや、塩の道の重要性を学ぶことで生徒の道徳性や地域貢献に対する意識は確実に高まっている。また、自分たちが自分たちの郷土や地域の文化遺産を守っているという意識が自尊感情の高揚につながっている。

③ 当該活動以外の環境教育実践活動

ⅰ)鹿の食害による森林破壊が深刻化している三嶺さおりが原(標高1,440m)で樹皮にラスをまく『ラス巻きボランティア活動』を行っている(3年に一度)

ⅱ)PTA行事ではあるが、地元の町道(影仙頭線)の清掃活動を毎年7月にボランティアとして行っている。(土曜日)

(5) 当該活動で他の表彰を受けたこと 感謝状 平成23年9月16日 土佐塩の道保存会

(6) 校内外活動のための時間の作り方

 土曜授業日としての取り組みや放課後を活用している。また、土曜日ボランティア活動として取り組んでいる。

3) その他特記事項

 平成27年度、ここ数年にわたってお世話になった地域や環境整備を含めた行事を、生徒が主体となって、生徒の目線から『物部のガイドブック』としてまとめた。これは、生徒が実際に体験したことや地域を訪ねてインタビューした内容をまとめたガイドブックで、その中でも『塩の道』『豊かな自然』を取り上げている。このガイドブックは環境教育にプラスになっていると確信している。

 

 

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