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《学びの森の生態図鑑No.14》
「宮城県蔵王野鳥の森自然観察センター ことりはうす」のそばにある野鳥の森はいろいろな生き物が生息していますが、今回は冬の野鳥の森で見られる「ホシガラス」について紹介します。
「ホシガラス」はカラスの仲間で胸全体に星のような白い点々模様があることからその名前がついています。
蔵王では春から秋まで蔵王の山頂付近で子育てを行い、山が雪に覆われる冬になるとアカマツを求めて、この野鳥の森付近まで下りてきます。
そして、雪解けの始まりとともに蔵王の山頂目指して帰っていきます。4月上旬、まだたくさんの雪の残る駒草平あたりで見かけます。ホシガラスは他の野鳥より一足早く子育てを始めるそうです。そのときに雛に与えるのが、前年の秋に貯めておいたゴヨウマツやハイマツの種です。
ハイマツ、ゴヨウマツの実が大きくなるころ、エコーラインの賽の河原から駒草平、大黒天などでもたくさん見られます。そこで集めた種を子育てを行う場所までもっていって「貯食」しているそうです。
ちなみに、蔵王にあるハイマツは、純粋なハイマツはなく、ほぼゴヨウマツとの交配種だとか。
夏のホシガラス
蔵王の山頂付近でゴヨウマツの実を取っています。
松ぼっくりをつつくホシガラス
カマツの松ぼっくりをつついています。
枝に止まってつついたり、松ぼっくりの実を嘴で上手にぐりぐりと回してプチッと取ったりします。
松ぼっくりの実を食べるホシガラス
嘴で松ぼっくりを咥え、別の枝に移ると、そこで松ぼっくりを脚で押さえてつついて種を食べます。
ホシガラスがつついた松ぼっくり
ホシガラスがつついた松ぼっくりは先端が割れています。くちばしで激しくつつくので、割れてしまうようです。他の鳥が食べた場合はここまで損傷しません。
ホシガラスが落とした松ぼっくりが雪の上にたくさん落ちているのが見られます。
ホシガラスの観察会
毎年1月のはじめに行われるホシガラス観察会の様子です。ホシガラスに会える保証はありませんが・・・
他の野鳥や、動物の足跡や痕跡なども見つけながら、スノーシューをはいて野鳥の森を歩きます。
ホシガラスを見つけたらその場でしばらく松ぼっくりを食べる様子を観察します。
今年度の観察会は締め切りましたが、毎週日曜日に行われるスノートレッキングに参加すれば、会える可能性大です。くわしくは「ことりはうす」のHPをご確認ください。
蔵王野鳥の森自然観察センター(ことりはうす)https://x.gd/lzFxg
(写真・解説の提供:宮城県森林インストラクター協会)