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《学びの森の生態図鑑No.11》
■森の落とし物■
木の葉が落ちて風が吹いて、今、森の中にはいろいろなものが落ちています。
有名どころ『森のエビフライ』:リスがマツボックリのタネを食べた残りです。マツの木の下にたくさん落ちています。
木の実:小さな木の実は森の生き物たちのごちそう!
1 ドングリ:森の大切な秋の恵みです。クマやシカなどの大型動物から、リスやネズミ、カケスなども、もりもりとたべて厳しい冬に備えます。生き物たちが地面や木のうろにためこんで忘れられたドングリから新しい木が芽生えてくるのも大事な自然の循環のひとつです。
2 メタセコイア:イカルなどの鳥たちがたべます。ほかにもだれか、食べるのかなあ?
3 トチノキ:実はものすごい音をたてて、ゴン!!と落ちてきます。クラフトのために倉庫に干しておくと、時々、歯形がついています・・・犯人は・・・?あく抜きをして作るトチモチは人間の知恵です。
4 コブシの実:春には真っ白い花で目を楽しませてくれたコブシ。秋には真っ赤な実がなります。乾燥してくると回りがまっくろけになって、ちょっとびっくり!コブシの実にはアカスジキンカメムシがよくついています。そして、まっくろくろすけのカラス軍団も大好物です。
カツラ:カツラの木の葉が落ちてくると、秋だなあ・・・と思います。カラメルのようなおいしそうな独特の良い香り。ちょっと離れたところからも漂ってくるのでカツラの木を探すのも楽しいですね!
ホオノキ:いわずと知れた朴葉焼きのホオノキの落ち葉。大きくて、白っぽくて、遠くから見るとごみが落ちていると、何度騙されたことか・・・www
こんなかわいいお面もつくれます。
秋に強い風が吹いた後には、ときどき、こんなものが落ちています。メジロの巣です。二股の木の枝に上手にひっかけています。木の葉が落ちると、樹上にメジロ団地が現れたりしてびっくりします。鳥の巣は巣材もさまざま、県民の森のメジロの巣には遊歩道整備で使われる土嚢袋の繊維が多く使われています。
冬の遊歩道や葉の落ちた木々にぶら下がっているたくさんの繭たち。つい、拾ってしまうのは悪い癖・・・この中から、大きなガが飛び立っていったと思うと、わくわくしてしまうのです。
季節を問わず、落ちているのが鳥の羽根。こんな大物を拾うと、どっきりします。猛禽類のフクロウやノスリ、そして、その猛禽たちに食べられちゃったアオバトやドバトの羽根です。
ヘビの抜け殻:これは番外編、夏の落とし物。意外と建物の近くにあったりします。少し前、外に置いてあった洗濯機の上にあったときはびっくりでした。
そのほかにも、森の中にはたくさんの落とし物があります。セミやトンボの抜け殻、生き物たちのフンだって、その動物がそこにいるという証拠になります。雪の日には、不思議な足跡をたくさん見ることができます。人里のこんな近くでたくさんの動物たちが生きています。
(写真・解説の提供:宮城県森林インストラクター協会)