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《森の植物の歳時記》 [136] 【アオキ(青木)】

日本在来の常緑広葉樹で、耐寒性もあり、各地で見られます。春に咲いた花は秋に赤い実をつけて、花の少ない季節に目を引きます。

古い時代の日本では緑色を“あお”と呼んでいたことからついた名前です。

雌雄異株で、実がつくのは雌株のみです。赤い実は鳥や獣に食べられて種子散布されます。

果実の中には5×13㎜の大振りな種子が1個あります。林の中で実生のアオキを見かけることがあります。薄暗い環境で生きていくには、大きな種子で大きな芽を出した方が早く育つことができ、効率よく光合成ができて有利なのでしょう。

果実の中で、ちょっと歪で色づかないものを見ることがあります。アオキミタマバエという昆虫による虫こぶです。中に幼虫がいるため、赤く熟さないで、鳥に食べられないようにしているものと思われます。

シカの食害の報告が多く寄せられます。シカの生息する森では、若枝や葉を食べられるので、大きく育つことができません。

斑入りもあります。近年、住宅地に近い林では、造園木の逸出と思われる実生の斑入りを見かけることがあります。




廣畠眞知子氏(NPO法人千葉県森林インスタラクター会会員、元千葉都市緑化植物園緑の相談員)













 



斑入りアオキ









アオキの雌花





アオキの雄花





アオキの虫こぶ





アオキの食害





 


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