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《森の植物の歳時記》 [133]~クリスマス 【ポインセチア(ショウジョウボク(猩々木))】
花屋の店頭が赤く染まる季節になりました。
メキシコ原産の植物で、19世紀、アメリカの初代メキシコ公使ジョエル・ロバーツ・ポインセットが母国に持ち帰ったことから広まったとされています。ポインセチアという名前は、このポインセットに因んでつけられた名前とされており、日本には明治時代に移入されています。
赤く見えるのは「苞(ほう)」と呼ばれ、花の集まりを保護する器官です。中心部に小さな花の集合があります。苞は花が咲く頃に赤く色づきます。目立たない花の場所を虫に知らせているとされています。
この赤い色が、大酒飲みで顔が赤い伝説の動物「猩々(しょうじょう)」に似ていることから、日本名をショウジョウボクと言いますが、ポインセチアの方が一般的ですね。
メキシコ原産ですから、耐寒性はありませんが、赤い色がキリストの血の色、緑色は永遠、樹液の白色は純潔、上から見た形がキリストの生誕を知らせたベツレヘムの星を意味しているとして、クリスマスに結びつけられたようです。
昨今、色も姿も様々な品種が出回っています。
廣畠眞知子氏(NPO法人千葉県森林インスタラクター会会員、元千葉都市緑化植物園緑の相談員)