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《森の植物の歳時記》 [117] 【ビワ(枇杷)】

ビワの花、初冬の季語です。

楽器の琵琶に果実または葉の形が似ていることからの名と言われています。

日本に自生していた品種もあるという説がありますが、果実が小さくて、利用価値は低かったようです。奈良時代ころ、生薬として中国から渡来したものが広まりました。更に、幕末には清国から大きな果実の品種が伝えられました。

初夏に熟す果実を待っておられる方は多いのですが、初冬に咲く白い花は、花を包む萼が茶色の短毛に覆われて目立たないため、気づいておられる方は少ないでしょうか? 

見栄えはしない花ですが、芳香を放ち、多くの蜜があります。蜜源の少ない初冬でもあり、ミツバチやハナアブなどの昆虫や、メジロやヒヨドリなどの鳥が集まり、受粉に貢献します。

中国から渡来したころは、種子、葉も含めて、主として生薬として利用されていました。現在でも、民間療法として葉を煎じた汁や、葉を漬けた焼酎は虫刺されや皮膚疾患の外用薬として使われています。

ビワの木は乾燥させると強度が増します。丈夫で長持ちするビワの杖は、古くから長寿杖と人気があります。



廣畠眞知子氏(NPO法人千葉県森林インスタラクター会会員、元千葉都市緑化植物園緑の相談員)








































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