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《森の植物の歳時記》 [108] 【ラッカセイ(落花生)】
ラッカセイの収穫の季節を迎えています。ピーナッツと言った方が馴染みがありますか。
南米原産の植物ですが、江戸時代初期に中国から渡来したと言われています。
夏に黄色いマメの花を咲かせます。受粉後、子房の下の方が長い柄のように伸びて子房を前に押し出し、土に潜り、地中で豆果を実らせます。ラッカセイ落花生の名前の由来です。
ラッカセイが実るためには、土の中に入るときの抵抗が必要で、加えて、子房に光が当たらないことなど、様々な要素が必要とされています。子房が土の中に入ることで、豆果が自ら水分を吸収することができます。土に入ることができなかった子房柄は、結実することなく消滅します。土の中で実ることで、鳥に食べられることはありませんし、乾燥からも守られることにもなります。
千葉県はラッカセイの生産が多いことで知られています。収穫時期、掘り上げられたラッカセイは根を上にして数日、干されます。その後、積み上げられて干されます。この姿を“ボッチ”と言い、千葉の秋の風物詩として、知られています。街にもラッカセイが溢れます。
廣畠眞知子氏(千葉県森林インスタラクター会会員、元千葉都市緑化植物園緑の相談員)