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《森の植物の歳時記》[53] 【クサボケ(草木瓜)】
【クサボケ(草木瓜)】
日当たりのよい雑木林や草原で生育します。名前にクサとついていますが、草が生えるような位置(高さ)で生育するという意味で、落葉小低木に分類されます。
造園木として楽しまれているボケ(木瓜)は平安時代以前に中国から渡来したといわれていますが、クサボケは日本在来の植物です。地面に張り付くように根を張り花を咲かせます。
たまに1㍍くらいの高さになることもあります。多くの木々が葉を開く前の明るい雑木林の林床で咲く朱赤色の花には、思わず足を止めてしまう存在感があります。
結実は稀なのですが、直径3~4㌢のいびつな丸い果実を着けることがあります。酸味、渋みが強く、堅いため生食には不向きですが、果実酒にすると程よい酸味のお酒になります(個人の感想です)。果実酒にするほどの果実を収穫できることは夢のまた夢なのが残念です。
廣畠眞知子氏(千葉県森林インスタラクター会会員、元千葉都市緑化植物園緑の相談員)