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<全国の“ニッセイの森”をご紹介します!~第2回(“ニッセイ高尾の森”・林道)~>

本日は全国にある‟ニッセイの森”の中から、‟ニッセイ高尾の森”を紹介します。

本来でああれば2020年4月18日(土)に“ニッセイ高尾の森”にて自然観察会の実施を予定しておりましたが、新型コロナウィルスの影響があり残念ながら中止となってしまいました。
今回の投稿では、自然観察指導者として植物観察の楽しさを教員や児童・生徒、植物愛好家に伝えている冨田 広氏より“ニッセイ高尾の森”を木々や花の写真と一緒に紹介していただきます。
 
“ニッセイ高尾の森”は高尾山(東京都八王子市)の北隣にある森で、恩方地域から伸びる滝ノ沢林道を30分ほど登った場所にあります。日本の中央にあるので、北海道や東北などの寒い場所で見られる植物と九州などからの暖かい場所で見られる植物の両方の植物が見られます。そんな環境ですから、“ニッセイ高尾の森”やその脇の滝ノ沢林道沿いを歩けば、四季を通じて400種近くの植物が手軽に観察できます。また、植物観察会参加者の方々が300本以上の植物名プレートを作ってくれたので、植物名を学習するよい場所になっています。
動物も多く生息していて、ニホンザルの集団によく出逢い、驚かされます。鳥類や昆虫類も多く、夏に幹の先で囀るホオジロの鳴き声を聴きながら木陰で休んでいたとき、目の前を優雅に飛ぶアサギマダラの姿には感動しました。
今回は春の植物の紹介ですが、ニッセイ高尾の森や滝ノ沢林道の春の植物の特徴はスミレの種類の多いことで、12種類を観察できました。この森の自然の多様性を感じます。
4月の自然観察会は残念ながら実施できませんでしたが、次回の機会では是非皆さんもご参加いただき、豊かな自然を体験してみてはいかがでしょうか。
なお、紹介した写真は昨年の春と4月の緊急事態宣言が出る前に撮影したものを編集しました。
《解説・写真:冨田 広(元国立研究開発法人科学技術振興機構主任調査役)》
 
今後も“ニッセイの森”を紹介していきますので、ぜひご確認ください!!


“ニッセイの森”の全国の森林づくりMAPはこちらでご覧いただけます↓
https://www.nissay-midori.jp/map/index.html

 

① 財団作成のニッセイ高尾の森周辺の絵地図を持って歩きました!

②最初に林道手前の松嶽神社周辺を観察しました!

③ スギ林にはムササビの巣があります!

④ ヤマブキに似た ヤマブキソウ が咲いています。この花は花びらが 4 枚でケシの仲間です。
 バラの仲間のヤマブキは花びらが5枚です!

⑤ 羅生門に住む鬼の腕に例えら れたラショウモンカズラも咲いています。 カズラはツル植物の意味です。

⑥ 滝ノ沢林道の入口には財団の案内板あります。

⑦-1 滝ノ沢林道はヤマブキが満開でした。

⑦-2 滝ノ沢林道はヤマブキが満開でした。
⑧ 林道には植物名の書かれたプレートが整備されています。
⑨ プレートの下には 果実の並び 方 がネコの目に似る ヨゴレネコノメソウが咲いている!
⑩ 花が二輪咲く のが名の由来の ニリンソウ が近くに咲いています 。
⑪ 林道沿いには若葉が赤いヤマ ザ クラが咲いています。
⑫ サクラの仲間だが、サクラに見えないウワミズザクラ も見かける
⑬ 名はサクラだがサクラの仲間ではないフサザクラ。花は雄しべと雌しべだけでつくられ、花びらが無い。
⑭ 新緑のカツラの樹林が目立つニッセイ高尾の森に着きました。
⑮ 森にはヤマザクラに似るが、花の柄に毛があるカスミザクラが咲く。
⑯ 貴重なエンレイソウが咲く! 花びらに見えるのは萼 (がく)。
⑰ 森周辺はスミレの宝庫!よく見かけるタチツボスミレ。ツボ(壺)とは庭の意味。
 
⑱ 赤色の葉がやがて緑色になるタカオスミレは半日陰に咲く
⑲ 貴重なアケボノスミレは花の時期に葉が開ききらないのが特徴!
⑳ 切り込みが深く、スミレの葉には見えないエイザンスミレも見かける!
㉑ 白色のスミレのマルバスミレ!全身に毛が目立つとケマルバスミレともいう。
㉒ 左右の花びら(側弁)が開かないアオイスミレも目立つ!
㉓ 葉が長いので見つけやすいナガバノスミレサイシン!
㉔ 大きな花がサクラに似る貴重なサクラスミレ!花びらの先にサクラの様な切れ込みがある!
㉕ 可愛いのでヒナスミレ(雛菫)と呼ばれる。葉が二等辺三角形状で葉脈の緑色が薄くなるのが特徴。
㉖ 展望広場の手前の林道でニホンザルの集団(15~18頭)に出逢う!
㉗ 展望広場からは秩父や筑波の山々、スカイツリーが望めます!ここでお弁当を食べて帰りました。