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《森の植物の歳時記》 [143] 【フタバアオイ(双葉葵)】

年頭から徳川家の話題が賑やかです。徳川家の家紋は“三つ葉葵”です。
“アオイ(葵)”と呼ばれる植物は、フタバアオイを意味します。古くは“あふひ(逢ふひ)”と呼ばれ、“ひ(日)”は神を意味し、神様に逢う植物を意味すると言われています。
神代の昔、賀茂別雷神(かもわけいかずちのみこと)が葵を飾り祭りを行うようにとの神託を下され、そのお告に従い神を迎える祭を行って、降臨されたとの話が賀茂神社に伝えられています。「葵(あふひ)」は神と人とをつなぐ草として賀茂神社の神紋となっています。
5月に行われる葵祭では烏帽子にフタバアオイを飾った行列が続きます。市民の皆さんの協力でフタバアオイが賀茂神社境内で育てられています。
徳川家が三葉葵を家紋としているのは、諸説あるようですが、その祖先の賀茂神社への信仰とする説があります。二葉葵の神紋に一葉加えたと言われています。
カンアオイ(寒葵)は同じ仲間ですが、常緑であることからの名前です。タチアオイ(立葵)はフヨウの仲間です。太い茎が真っ直ぐに立って伸びることに由来します。

廣畠眞知子氏(NPO法人千葉県森林インスタラクター会会員、元千葉都市緑化植物園緑の相談員)













フタバアオイの育成地


双葉葵の御神燈(下鴨神社)