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《森の植物の歳時記》 [138]  【ハボタン(葉牡丹)】

お正月が近づいてくる頃、街や公園の花壇に植えられます。花が咲いている訳でもないのに、何となく華やかな雰囲気を演出してくれます。
花を愛でるボタンに似て、葉を愛でるボタンという意味の名です。キャベツと同じナノハナの仲間です。
江戸時代の初めころ、オランダからキャベツが食用として持ち込まれました。今のような玉に巻くキャベツではなく、ケールに近いようなものだったと思われます。
当時、日本人はキャベツを食べるということに関心はなかったようですが、折からの園芸ブームで、観賞用に改良して作り出されたのがハボタンです。日本生まれの園芸植物と言えるでしょう。
明治時代になって、海外に広められ、多くの品種を生み出していきました。一時期、若い人に古臭いと言われて、衰退したこともありましたが、近年、より多くの品種が生み出されて人気を取り戻しています。
冷え込みの厳しい早朝、葉の縁に着いた霜は魅力的に輝いて注目されます。
花のない季節を彩るハボタンですが、鳥にとっては餌の少ない季節です。早朝に食い荒らされていたりして驚かされることもあります。

廣畠眞知子氏(NPO法人千葉県森林インスタラクター会会員、元千葉都市緑化植物園緑の相談員)

















ハボタンの食害


ボタン(牡丹)