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《森の植物の歳時記》 [135]  【シクラメン】

花屋さんの店先をシクラメンが飾る季節になりました。
「真綿色したシクラメンほど、清しいものはない・・・」40年以上も前になるのでしょうか、布施明さんの「シクラメンのかほり」という歌が大ヒットしたのをご記憶の方もあるでしょう。原種は香りがあるようですが、一般に目にする改良種には香りはありませんので、話題になりました。近年、香りのある品種も売られています。
地中海沿岸辺りを原産地としています。日本には明治時代に伝わったようですが、本格的に広まったのは戦後で、冬の鉢物として人気を集めています。
原産地である地中海沿岸は、シクラメンが咲く冬の時期は雨が多いため、花は下に向いて咲き、花粉が雨に濡れないようになっています。
丸く大きな球根があることや、授粉後、茎が円を描くように丸まることから、円を意味するギリシャ語のイメージでシクラメンCyclamenと呼ばれるようになったとされています。
日本名では花の姿からカガリビバナ篝火花とか、球根の姿からブタノマンジュウ豚の饅頭と呼ばれたりしましたが、シクラメンで落ち着いたようですね。

廣畠眞知子氏(NPO法人千葉県森林インスタラクター会会員、元千葉都市緑化植物園緑の相談員)

















シクラメンの実


シクラメンの球根