朝夕の冷え込みで、そろそろ紅葉の話題が聞かれるようになってきました。
寒くなってくると、植物は冬支度を始めます。木々は活動が弱まり、体内の水分量も減り、落葉広葉樹は葉を落として冬眠生活に入ります。
葉を落とす前の準備として、木は葉との間に壁(離層)を作ります。この壁によって木から葉に水分が届きにくくなり、葉の中にある緑色の色素、葉緑素がなくなります。葉の緑色が消えると、隠れていた黄色が目立ってきます。イチョウなどで見られる黄葉です。一方、葉に残った栄養では赤色の色素が作られます。この二つの現象が絡み合って、様々な色の紅葉になります。
美しい紅葉の条件は、昼夜の寒暖差が大きいこと、十分な太陽光を受けられること、適度な湿気があることの3点と言われます。最低気温が6~8度くらいまで下がることが引き金になります。標高の高いところ、北国などの紅葉がきれいだと言われる所以です。
紅葉の名所を訪ねてみたいものですが、近くの紅葉を探してみるのもこの季節の楽しみです。いつものお散歩コースで紅葉狩りポイントを探してみませんか。
廣畠眞知子氏(NPO法人千葉県森林インスタラクター会会員、元千葉都市緑化植物園緑の相談員)