初秋の頃、草刈りの終わった日当たりの良い草地を覆うように咲く姿に驚かされます。
連穂とか蔓穂の字が当てられます。連なるように咲くことからと言われますが、はっきりしていないようです。
別名をサンダイガサ(参内傘)と言います。これは花穂の姿を貴族が参内するとき、お供の人がさしかけた傘(たたんだ時の姿)に見立てた名前とされています。
葉は春と秋に出ます。春、田植え前、草刈りされた明るい草原で十分な光を受けて葉は育ちます。夏、草原が草に覆われようになると葉は枯れて休眠します。その後、お盆の後くらいからでしょうか、初秋に花茎と葉が出ます。花茎のみで、花が終わった頃から葉をだす株もあります。秋に葉だけ出している株も見られます。
稀ですが、白花もあります。
果実は3室に分かれていて、各室に1個の種子が見られます。
葉をちぎると、ちょっとネギのような匂いがします。小さなラッキョウを思わせるような鱗茎(りんけい 球根)があります。飢饉の時に晒して食べたという記録があるようですが、有毒ですので、不用意に口にすることは控えましょう。
廣畠眞知子氏(千葉県森林インスタラクター会会員、元千葉都市緑化植物園緑の相談員)