【ネジバナ(捩花)】
日本在来のランの仲間で、花茎が捩れながら伸びることからの命名です。たまに捩れていない株もありますが、大部分は捩れて育ちます。右巻きか左巻きかと話題になりますが、左右ほぼ同じくらい確認されているようです。巻きつくことで、左右のバランスがとれて、茎が真っ直ぐ伸びることができるという説もあります。
一つ一つの小さな花には、小さなハチの仲間が潜り込みます。
人里植物と言われるように、人の手が入った湿り気のある明るい場所を好みます。芝生と相性が良いことも知られています。芝生で見つけて、大事に鉢植えにしても育てるのは難しいようです。やはり芝生が好きなのでしょう。
ランの仲間は菌類と共生することが知られています。多くのランは特定の特殊な菌類と共生しますので、移植、栽培が難しいと言われます。ネジバナが共生している菌類(カビの仲間)は、草原など人里近くに普通に存在し、落ち葉や枯れ枝などを分解して生活しています。ネジバナはそんな普通に存在する菌類と共生していますので、身近な場所で、普通に見ることができるのです。
廣畠眞知子氏(千葉県森林インスタラクター会会員、元千葉都市緑化植物園緑の相談員)