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《森の植物の歳時記》㊿ 【ショカッサイ(諸葛菜)】

【ショカッサイ(諸葛菜)】

ハナダイコン(花大根)、オオアラセイトウ(大紫羅欄花)、シキンサイ(紫金菜)など、いろいろな名前で呼ばれる植物です。中国原産の植物で、江戸時代に中国名の諸葛菜(しょかつさい)として栽培された記録があります。戦前、中国の紫金山より種子が日本に持ち込まれました。戦後、栽培もされますが、東京を中心に野草化し、あちこちで見かけるようになっています。
紫色の花は4枚の花弁が十字形について、アブラナ科の特徴を示しています。ダイコンの花に似ていて、大振りで鮮やか花色からハナダイコンと呼ばれるのでしょう。覚えやすいのでしょうか、この名前で呼ばれる方も多いようです。
春に咲いた花の種は秋に発芽します。翌年春に開花する株もありますが、多くは翌々年の春に開花する二年草であることから、その間に草刈りをされたりすると、繁殖できなくなります。道端で沢山咲いていても、一気に消滅してしまうのはこの性質によります。

廣畠眞知子氏(千葉県森林インスタラクター会会員、元千葉都市緑化植物園緑の相談員)