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《森の植物の歳時記》㉟ 【スギ(杉)】

【スギ(杉)】
寒さが厳しくなる頃、スギ林が赤茶色に色づきます。枯れている? 雄花が沢山ついている? ご覧になった方々から、様々な報告をいただくことになります。特に、千葉県に植栽の多いスギの品種、サンブスギは鮮やに発色することで知られています。
原因は諸説あって、はっきりとしていないようですが、気温の低下と共に葉の葉緑素が減少し、元々葉内にあった赤い色素が目立つようになる現象のようです。時期的に、雄花穂が熟して花粉を放出し始めるころと重なるため、雄花の色と誤解されたりするようですが、雄花のついていない枝も赤くなります。
スギの枝で染めたスカーフをいただきました。秘めたる色というのでしょうか、想像もできない色に染まっています。
3月頃にはスギ林は赤から緑へと劇的に変化して、春と訪れを告げてくれます。

廣畠眞知子氏(千葉県森林インスタラクター会会員、元千葉都市緑化植物園緑の相談員)